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toiro Lab:Z世代のホント!?(コミュニティ調査) 

2024.4.1

みなさんこんにちは!10 Inc.リサーチャーの霜鳥です。 
このコラムでは、当社の自主調査レポートを掲載していきますので興味深い!気になる!と思うトピックがあれば、ぜひ読んでいただければ嬉しいです! 

今回の調査テーマは、Z世代の「お金と仕事と恋愛」価値観についてです。 

調査概要
 調査手法:オンラインコミュニティ調査 (MROC)
 調査対象者:
   【Z世代】大学生/社会人18歳~27歳 18サンプル 
   【Y世代】30代~40代 15サンプル 
 有効対象者数:33名 
 調査期間:2023年10月~11月 
 

Z世代の特徴と価値観 

【人生のジョブの多様化】×【自分らしく】×【そこそこに】 

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Z世代が生きる現代は、日々の仕事やプライベートの【人生のジョブ】が多様化しています。そんなZ世代が大切にしている価値観は、効率よく【そこそこに】【自分らしさを実現したい】というものでした。 
大きな努力をせず、効率よく物事をこなしたいZ世代は、そこそこの努力で自分らしさを体現することを望んでいて、それが実現できたときに幸せを感じるというのが今回の調査で分かりました。 
そんな彼らの<お金><恋愛><仕事>の価値観を覗いていきましょう! 

Z世代の【お金】のホンネ 

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お金は安心材料だから、なるべく貯金をしたいと考えているZ世代。 
欲しいものを我慢せずにお金を使うことができる状態であることが大事だと感じています。 
労力をかけずお金を増やせる資産運用(いわゆる不労所得)に興味があるようです。 
しかし、具体的な勉強をしているわけではなく、お金と時間に余裕ができたら手を出したい程度の関心にとどまっている様子。 
この価値観にも、【そこそこ】の努力で結果を出したい傾向を感じますね。 

<コミュニティメンバーのリアルな言葉> 
上記の分析結果の素となったコミュニティメンバーの言葉(原文そのまま)を一部ご紹介いたします。 

“お金はイライラしたり悲しい思いをしたりせずに、楽しく豊かに生きるために必要なもの。「お金がないこと」を理由に諦める物事ほど惨めなものはないと思う。“ 
“「必需品では無いけれど欲しいもの」を心置きなく買える瞬間に幸福を感じます!” 
“暮らしを豊かにするもの今の価値観では結局お金が1番大事“ 

<Z世代vsY世代> 
ちなみに、これは本当にZ世代の特徴なのか?と疑問に思い、Z世代と同じ質問をY世代の男女にも聞いてみました。同じ質問でも想像していた以上に差が出てきたのでご紹介したいと思います。 
  
Z世代はお金に対して「堅実」で「あればよいもの」と捉えているのに対して、Y世代は「軍資金」と捉えていることが対照的な差として見られました。 

Q:もし1億円手にしたら(20代に手にしていたら)何に使う? 
Z世代:少しだけ好きなものを買って、極力貯金する。資産運用や家などの資産にも興味あり。 
Y世代:旅行やギャンブル、DJパーティーや映画を撮ってみるなど夢を叶えるために使う。 
  
Q:あなたにとって(20代の頃の)お金とは? 
Z世代:生活を成り立たる安心材料。生活を豊かで幸せにしてくれるもの 
Y世代:趣味などやりたいことを実現させるもの。足りないと、不自由な思いをするもの。 

Z世代の【恋愛】のホンネ 

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恋愛に対しては、少しドライに捉えることもあるZ世代。 
恋愛は楽しいけれど、恋愛以外でも幸福を感じる機会が多いので、絶対に必要なものではないと感じているのが特徴的でした。 
結婚などのライフステージに関わるものだから気がかりであるが、積極的に自分の時間を消費したくはないというジレンマを抱えています。 
【人生のジョブ】が多様化しているからこその特徴と言えますね。 

<コミュニティメンバーのリアルな言葉> 
上記の分析結果の素となったコミュニティメンバーの言葉を一部ご紹介いたします。 

“無理して恋愛したいとは思わないが、チャンスがあれば恋人が欲しい。” 
“将来のライフイベントに関わるから恋愛は必要だと思う。” 
“1人の時間を大事にしたい。同じ価値観の異性に出会えたことがないから恋愛はできればしたくない。” 
“恋愛していると充実していると感じる。でも他にも楽しいことはたくさんあるから、時間を費やすのはもったいない。” 
“愛は楽しいことが多い反面、苦労することも多い。恋愛が必要不可欠だとは思っていないので、恋人にしたいと感じる人がいたら恋愛すればよいと感じるスタンス” 

<Z世代vsY世代> 
恋愛の価値観についても、お金と同様にY世代と比較してみました。 
Z世代は「恋愛は人生を楽しむための1つの手段」「恋愛よりも自分の時間を大切にしたい」と捉えているのに対し、Y世代は「人生を楽しむ主な手段」と捉えていることが大きな違いでした。 
Y世代が10~20代の頃と比べて、現代は幸せを感じる手段が増えたことが感じ取れます。 
ここからも【人生のジョブ】が増えたと言えるのではないでしょうか。 

Q:恋愛は人生に幸福感を与えている(20代当時与えていた)? 
Z世代:恋愛は楽しいが無理してするものではない。恋愛をしていなくても十分幸福を感じている。ひとりの時間を大切にしたいから、できれば恋愛はしたくない。 
Y世代:恋愛することは楽しいし、友達との恋バナも楽しかった。生活の幸福度のすべてが恋愛で、恋しているときはうれしい気分になれた。 

アロマンティック価値観 

ちなみにですが、皆さんは「アロマンティック」という言葉をご存知でしょうか?アロマンティックとは下記の様な価値観のことを指しています。 

アロマンティックとは… 
● 恋愛的指向の一つで、他者に恋愛感情を抱かない人や指向のこと。 
● 家族や友人が好きという感情と異なる、恋愛感情を感じることができない。 
● 他人の恋愛や恋愛がテーマのドラマや書籍に共感できない。 
● 自分は恋愛に興味がなくても、社会の目を気にして無理やりパートナーを作ろうとすることもある。 

参照元: https://blog.ncbank.co.jp/posts/allomantic-asexual/

この価値観についてZ世代はどのように感じるのかを問いかけてみました。 
恋バナに興味を持てない、他人の恋愛に共感できないなど思い当たる節がある人も見られた一方、大部分では自分自身に思い当たる節がある人はほとんどいませんでした。 
それでも、「そういう価値観の人がいても普通だ」という理解や共感を示す結果となりました。多様化していく現代を生きるZ世代の特徴が表れています。 

<コミュニティメンバーのリアルな言葉> 
アロマンティックに対する、コニュニティメンバーの言葉はこちら。 

“恋愛話はよくするし実際に恋愛感情を経験したこともあるが,恋愛感情が全くなくなる時期もあるから恋愛に興味がないことも理解できる​” 
“高校生の時、自分はあまり人のことを恋愛対象として好きになれなかった。” 
“恋愛話が嫌いではないが、恋愛話に共感はあまり出来ませんでした。​” 
“1部あてはまっている節があるとすればですが、他人の恋愛話にはそれほど興味がないというところです。” 

Z世代の【仕事】のホンネ

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Z世代は「やる気が見えない」「コミュニケーションをとるのが苦手」「何考えているか分からない」と言われがち。しかし、今回の調査で分かったことは「Z世代は仕事へのモチベーションは想像よりも高い」という事でした。 
しかし、モチベーションが上がるためにはいくつかの条件があります。 
①   趣味や好きなことが仕事をする 
②   得意分野を深められ、第一人者になれる 
③   仕事の成果で誰かに認められる 
この条件のいずれかが満たされるときに、Z世代は仕事に真剣に向き合い、力を発揮できるようになります。仕事とプライベートの区別があまりなく、どちらも併せて人生だと考えているZ世代は仕事でも【自分らしさを実現したい】と感じているのではないでしょうか。 
また、出世にはあまり興味がなく、その道のプロになる/独立するなどといった方向で人に認められたいと感じているのもZ世代の特徴と言えるでしょう。 

<コミュニティメンバーのリアルな言葉> 
こちらも、分析結果の素となったコミュニティメンバーの言葉を一部ご紹介いたします。 

”つらいことは続けられないから趣味の延長のような仕事をしたい。“ 
“メリハリをつけられないので、楽しいと思える仕事しかできない。” 
“自分は多趣味だから「自分の経験を活かせる仕事をしたい。興味を持てる仕事には前向きに取り組める。” 
“自分の得意を生かした仕事で第一人者になり独立したい。” 
“出世には興味がないが、仕事で認められて生きている意義を感じたい。” 

Z世代の理解を深めるKey Points 

お金・恋愛・仕事の価値観から見えてきた、Z世代が大切にしている3つの事 

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Z世代を理解することは、仕事上のコミュニケーションだったり、マーケティング戦略だったり、様々な場面で役立つと思います。 
Z世代の理解を深めて、より良い関係を築いていただけたら幸いです! 
  
最後に・・・ 
以上がZ世代を対象におこなった【お金】【恋愛】【仕事】の価値観に対する調査の概要でした。 
実際の対象者の投稿(発言)を見ていて、なんとなくで捉えていた世代特徴がコミュニティメンバーの発言で言語化されていく感覚があり、楽しくZ世代の調査を行うことができました。 
質問を重ね少しずつコミュニティメンバーのことを知ることができて、回答に対して自分なりの分析を重ねながら深堀して行くことができるMROCの魅力も改めて感じることができたので、この自主調査ができてよかったと感じています。