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価値共創コンサルティングとは?一方通行な時代から、企業と生活者が共に未来を創る時代へ

2025.10.27

こんにちは、株式会社10(10 Inc.)代表の佐藤です。私たちはこれまで、リサーチコンサルティングを軸に、多くの企業のマーケティングや事業開発を支援してきました。しかし今、私たちは「一般的な調査会社」の枠を超え、価値共創コンサルティングへと進化することを目指します。
この度、自社ホームページも刷新されましたので是非、ご覧ください。

この記事では、なぜ今「価値共創」が必要なのか、そして私たち10 Inc.が実践する「価値共創コンサルティング」とは何かをご紹介します。

なぜ今「価値共創」が必要なのか

かつてのマーケティングやリサーチは、「どう売るか」「どう問うか」といった企業主導の一方向的な発想が中心でした。
しかし、時代は大きく変化しています。

  • 商品・サービスのコモディティ化
  • IT進化と情報リテラシーの向上
  • 個人の価値観の多様化

こうした変化により、生活者は膨大な情報や選択肢の中から、自らの基準で意思決定する存在になりました。
「十人十色」どころか「一人十色」と言えるほど、多様で複雑な価値観が並存する今、企業が一方的に設計した商品やメッセージは届きにくくなっています。今、求められているのは――企業と生活者が共に問いを立て、意味を編み、価値を育む『価値共創』の視点です

国内マーケティング・リサーチ業界の課題

国内のリサーチ業界には、生活者を「データ供給源」として消費する構造的な課題があります。

例えば、

  • 設問数が膨大で、回答者の負担が大きいアンケート
  • 低水準な謝礼や、調査目的の共有不足によるモチベーション低下
  • その結果として生じる「精度の低いデータ」

企業は「質が悪い」と判断し、さらに調査を厳格化する。
こうして、企業と生活者双方に負担が増す“悪循環”が繰り返されています。
加えて、長期にわたるネットリサーチの低価格競争が、この構造を固定化しているのが現状です。

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私たちがたどり着いた「価値共創」という答え

こうした時代の変化と業界課題を踏まえ、10 Inc.は「リサーチのあり方」そのものを問い直してきました。
そこで見出したのが、企業と生活者の主客関係を超えて企業と生活者が共に考え・創るアプローチ=価値共創です。
私たちはリサーチ事業に加え、アプリ開発、クラフトビールBar、キャンプ事業など、生活者と直接交わる場を広げてきました。
その経験を通じて確信したのは、「問い」や「体験」を媒介にして企業と生活者をつなぐことの重要性です。

価値共創をどう実装するのか

10 Inc.の価値共創コンサルティングは、サービス・ドミナント・ロジック(SDL)の考え方を基盤としています。

  • 企業の課題やミッション
  • 生活者の体験やインサイト
  • 私たちのファシリテーション力

これらを掛け合わせることで、文脈に根ざしたリアルな価値が立ち上がります。その中核となるものが「共創コミュニティ」です。
これは単なる調査対象者の集まりではなく、企業と生活者が日常的に関わりながら未来を共に描く場です。

共創コミュニティでは、

  • 課題が「問い」になる前から共に探求する
  • アイデアや試作品を繰り返し検証する
  • 率直なフィードバックや“愛あるダメ出し”から新たな気づきを得る

さらに、兆しやリスクを生活者目線でいち早く察知することも可能です。
また、共創の姿勢を可視化すること自体が「顧客理解を文化として組織に根づかせる仕組み」となります。
さらに、共創コミュニティは社内にとっても大きな意味を持ちます。顧客と共に歩む姿勢を可視化することが、生活者理解を組織文化に根づかせる装置となるからです。多くの企業が「顧客理解の重要性」を口にしますが、それを日常的に実践し共有する仕組みは不足しがちです。共創コミュニティは、その不足を補い、社内のカルチャーを変える可能性を持っています。

10 Inc.の強み:共創を支える基盤

共創が形だけで終わらないよう、私たちは多様な「基盤」を持っています。

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これらを組み合わせることで、問いの発見→場の設計→実践→示唆→再実践という循環を回すことができます。

共創から「好き」があふれる未来へ

「価値共創」という考え方は、まだ日本では一般的ではありません。
しかし、私たちはこの思想をスローガンで終わらせず、現場で実践し、企業と生活者に届けていきます。それは、10 Inc.のビジョン「好きが、あふれる世界を」、そしてミッション「社会の好奇心をドライブする」を体現することに他なりません。
価値は企業が一方的に生み出すものではなく、生活者との関係性の中で立ち上がるものです。そして、その共創には企業・生活者・つなぎ手である私たち10 Inc.がそれぞれの視点と強みを持ち寄り、対話しながら価値を編んでいくプロセスが欠かせません。

今こそ、一方通行から共創の時代へ。
共に実践するパートナーとして、私たち10 Inc.と一歩を踏み出してみませんか。